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「南里ちゃん?」
「ん?」
そう呼ばれて顔をあげると、雅人が不思議そうに私を見ていた。
「どうかした?」
「え?あ、別に」
私には考え事をするとぼんやりと立ち止まる癖があるらしい。
気づけば部屋の前で不自然に立ち止まったままだった。
「ん?」と未だに不思議そうに見る雅人を部屋に押しやり自分も入る。
「何考えてたの?」
「あ、……何でもない」
「ん?」
また不思議そうに見てくる雅人の視線から逃げるように、ソファーに横になった。
目をつぶる瞬間、総長様がこっちを見ていた気がした。
他人に興味なんてない。どんな人か知ったところでどうなることでもない。
それなのに、あの時、なぜか『戸塚洸大ってどんな人?』と聞こうとしていた。
どんな人だって関係ないのに。
これから一緒にいることになったとしても、彼はただの護衛…いや、むしろ監視。
私が変なことをしないか見張る役目を受けた、災難な人。
たぶんこのモヤモヤを解消したかっただけ。
最初に見た彼とまるで別人の彼の本来の姿を確認したかっただけ。
そこに深い意味はない、はず。
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