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「ここの学校だったんだね」



やけに友好的な赤茶の男に対し、私はいつものように冷淡にそう言った。



「知らなかったのかよ?」


「まぁ」


「まじかよっ!俺もまだまだってことか」


「は?」



「戸塚洸大。以後お見知りおきを」



そう言いながら、赤茶の男――戸塚洸大は、手を前に持って行きながら、紳士のようにゆっくりと綺麗なお辞儀ををした。




「戸塚洸大…」


「あぁ、聞いてるだろ?今日からお前のボディガード」



「あー、あなただったんだ」


「そ。ってことで、よろしくな。俺のことは洸大でいいから」



「あなたも災難だね。こんな役やらされて」


「あ?」



私の言葉が意外だったのか、戸塚洸大は怪訝な声を出した。




「だって私のこと嫌いなんでしょ?そんなやつの護衛とか、いい迷惑じゃない?」



「別にそういうわけじゃねーよ」



「まぁ、総長様たちの命令じゃ仕方ないのかもしれないけど。どっちにしても私に護衛なんて必要ないから。ほっといて」




そう言うと、戸塚洸大の横を過ぎ、階段に足をかけた。

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