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次の日、何事もなかったかのように、いつも通り学校の裏門の死角まで送ってもらい、裏門から校舎に入った。
靴を脱いで、なぜか雅人から渡された新しい上履きに履き替え、靴を適当な袋に入れて鞄に突っ込むと、階段へと向かった。
今日はスリッパの独特の音はせず、廊下を鳴らす音が少しだけ静かだった。
「あ…」
階段の壁に寄りかかっている見覚えのある人の姿に、その手前で足を止めた。
太陽の光に照らされて、赤茶の髪が明るく輝いて見える。
赤茶の髪の男は、俯いていた顔をあげ、私に気づくと、
あの時と同じように、持たれかけていた体を壁から離し、私の方を向いた。
そして、
「よっ!」
赤茶の男は、そう言って片手を軽くあげ、笑顔を向けた。
あの時とは真逆の態度に、違和感を覚える。
けれど、あの赤茶の髪は溜まり場で会った男に違いない。
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