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「くそっ。雅人、そっちは頼む」
眉間にしわを深く刻み、こっちに向かってくる炎雷の総長様。
雅人は逃げていったヘタレ総長を追いかけていったようだ。
握っていた掌を開けば、赤く染まったナイフが音を立てて落ち、コンクリートにぶつかる音がやけに響いた。
そんなに深くは切れてないはずだけど、掌からはドクドクと血が溢れ出していた。
「お前、何やってんだ!!!」
怒りのこもったその声に、掌から視線を移す。
総長様は素早く着ていたシャツを脱ぐと、それを私の掌に巻きつけた。
「これくらいの血すぐ止まるよ」
これくらいならこんなことしなくても大丈夫だろうと思って取ろうとしたが、
「いいから押えとけ」
と凄まれ、大人しく手に巻きつけた。
「シミになるよ?」
「んなこと気にしてる場合じゃねぇだろ」
「大したことないのに」
「チッ」
なんでもないかのように淡々とそう言うと、盛大な舌打ちをされた。
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