P.139

「まぁいいや。電話、すればいいんでしょ?」



だんだん面倒くさくなって、動揺している女たちを気にすることなく、淡々とそう言うと、


ジャージのポケットに入れていた白い携帯電話を取り出し、電話帳を開く。




電話帳に登録されているのは、今のところ桐谷耀と小宮雅人だけ。



でも、どっちにかけた方がいいんだろうか。




炎雷と縁を切るという話なら、総長様に言った方がいい気はするけれど、あっさり却下されるに違いない。



それどころか、このことを勘付かれる可能性も高い。




やっぱり、まだ話しやすい雅人の方がいいだろうか?



まぁ、雅人も「何かあった?」とその背景を探ろうとするだろうけど。




そんなことを考えていたら、


「やめて!!!」


と、ヒステリックなその声とともに、手がはじかれた。


そのせいで、携帯電話は手から離れ、部屋の端の方へ飛んでいった。



静寂の中にカタンという携帯電話が床に落ちた音が響く。




電話しろと言ったくせになんなのだろう?




携帯電話から前に視線を戻すと、女たちが切羽詰まったような顔をしていた。

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