P.103

「で、これが南里ちゃんの新しいケータイだから」


「は?」



私が置いた黒い携帯電話に代わって、白いピカピカの携帯電話が目の前に置かれた。



それに、総長様の携帯電話を返して終わりかと思っていた私は、思わず間の抜けた声を出した。




「南里ちゃんにも持っててもらわないと困るからね」


「私は別に困りませんけど」


「俺らが困るの」



ジャジャーンと効果音がつきそうなくらい嬉しそうに出してきた雅人には悪いけど、それを手に取る気にはなれない。



「要らないって言ったら?」


「あ゛?」



私の言葉に怪訝な声を出したのは、ずっと黙っていた総長様。



「お金のことなら気にしなくていいよ?」


雅人もそう返されるとは思っていなかったのか、見当違いのことを言ってきた。お金の話も確かに大事かもしれないけど、今はそれを気にしたわけじゃない。




「いや、そういう問題じゃなくて…」


「お前のなんだから自由に使っていい。ただし電話にはすぐに出ろ」



やっぱり威圧的な総長様。すでに持つことを前提に話が進んでいる。

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