P.62

「あの…手、放してもらえません?」



なぜか車に連れ込まれた状態のままガッチリと押えられている私。



おかげで総長様の上に倒れ込んでいる形になっている。




「桐谷さん…?」



この距離で聞こえてないはずはないのに、全く反応してくれない総長様に呼びかける。



だけど、普通に名前を呼んだだけなのに、思いっきり顔をしかめられた。



え…?


名前は間違ってないはず。


それともあれか?桐谷‘様’じゃなきゃダメだった…?



学校で騒いでいた女の子たちは、確かにみんな「桐谷様」と呼んでいた気がする。


総長様だし、そんなに気軽に呼んだらいけなかったのだろうか。


個人的には『さん』でも十分敬意を払っていると思うが、私の知らない暗黙のルールがあるのかもしれない。

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