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「え?あ、別に変なことに使ったりしないから大丈夫だよ?ただ普通に聞いただけなんだけど…言いたくない?」


男はキョトンとした顔をして、首を傾げた。



「別にそう言うわけじゃ…」



言わなくてもいいならあえて言いたくはないのだけど、「言いたくない」と言ってそのまま終わる気もしない。


名前を知られたくない理由があるわけでもないし、ノリは明らかに悪いタイプだけど、ここで無意味に渋るほど空気が読めないわけじゃない。


ただの会話の一部。もう会うことはないだろうから、言ったところでどうだという話じゃない。


’何かが変わる’なんてこともあり得ない。


ここで無駄に時間を使っている方が不本意だ。


だったらさっさと言って、さっさと帰らせてもらった方がずっといい。




「じゃぁ、教えてくれるかな?」



「……南里」




それでも若干の抵抗が残っていたのか、ボソリと呟くように答えた。



「南里ちゃん?」



そう聞き返す男に軽く、曖昧に頷いた。



銀髪の男は黙ったまま、視線だけはバッチリ向けていた。

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