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掴まれた腕を見て、気づかれないほどの小さなため息が出た。
「…帰ります」
「なんで~?遊びいこーよ~」
無表情のまま淡々と冷たく言い放つ私に、腕を掴んだ金髪チャラ男はへらへらと笑ったまま。
「いや、結構です。離してもらっていいですか」
「なんで、いいじゃん」
男はヘラヘラ笑ったまま。何がいいのかさっぱりわからない。私の話、聞こえてないんだろうか。
なんかもう一人はニヤニヤ笑ってるし……気持ち悪い。
「ほんと、離してください」
抵抗してみるものの、へらへらと笑いながらも、がっしりと強く掴まれた腕は離れそうにない。
ずるずると徐々に引きずられていく体。
自分の力じゃもうどうすることもできない。だけど、まわりを見渡してみても、こんな時間に人はいない。
いるのは、あの入り口でかたまっているこいつらの仲間か、偶然ここを通ってしまった、足早に去っていく人だけ。
やっぱり大抵の人は、他人のことなんて見て見ぬ振り。
それはそうだ。当事者がこんなにも面倒くさいと思っているんだから、わざわざ面倒くさいことに首を突っ込むような物好きはなかなかいない。
なおをもぐいぐいと引っ張る男に、だんだん抵抗するのも面倒くさくなってきた。
このまま連れてかれたら、どうなるんだろうか?
レイプでもされるんだろうか?
いや、でもそうなると、強引でも無理矢理連れ去られたのとは違うから、‘合意のもと’になってしまうんだろうか…?
それは……最悪だな。
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