第89話

「どこに行くの…?」




里恵子は私の言葉を無視してそのまま歩いて行く。




「里恵子ってばっ。」




何も応えない里恵子に痺れを切らした私は大声で里恵子の名前を呼んだ。




里恵子は進めていた足を止めて私の方に振り返った。




「さ、着いたわよ。」




里恵子が私の腕を離す。




私は連れられて来た場所を見て目を見開いて驚いた。




「え…ここで何するの?」




私が里恵子に連れて来られたのは学校の近くのファミレスだった。




「みんなは先に着いてるわ。私たちも早く行きましょ?」




そう言って里恵子は私のことを置いて入口に歩いて行く。




「え?みんなって?ちょっと里恵子?」




私は急いで里恵子の後を付いて行く。




店内に入った里恵子は窓際の席の前で立ち止まった。

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