第88話
───放課後。
「ふふふ。いい作戦を思い付いたの」
里恵子が私の席までやって来て不敵に笑う。
「さ、作戦って何?」
私は若干引き気味に顔を引き攣らせて里恵子に聞いた。
「昨日言ったでしょ?作戦を練るって」
昨日の里恵子が帰る前に言っていたことを思い出す。
「あ、あれかぁ…。本当に何かやるの……?」
「当たり前でしょ?きっちり責任を取って付き合って貰わなきゃ」
苦笑いで聞いた私に里恵子はキッパリと言い切った。
「いいよ。責任だなんて…私の所為でこうなったんだから。涼が可哀想だよ」
涼にはずっと想ってきた好きな人がいるのに……。
ただでさえ傷つけてしまったのに、これ以上涼のことを傷つけたくない。
「ダメよ。取り敢えず付いてきて?」
だけど、里恵子は私の発言をあっさりと否定して私の腕を無理矢理引っ張って歩いて行く。
「え?ちょっと里恵子……?」
呼び掛けても里恵子は振り向いてくれず、そのまま歩いて行く里恵子に連れられて私たちは学校の外に出た。
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