作戦

第85話

次の日。



学校では文化祭の話で持ち切りだった。




「絶対喫茶店がいい」




「えー。喫茶店なんて他のクラスと被りそう」




「お化け屋敷は?」




私たちがいる2組では文化祭の出し物について討論中だ。




「キャバクラなんてどう?」




同じクラスの軽そうな雰囲気の中山君が言う。




「却下」




中山君の提案を担任の藤先生、通称ミス不二子がすかさず却下する。




「えぇー?そりゃないよ。不二子ちゃーん」




中山君はふさげてルパンの真似をしながら体をくねらす。




「高校の文化祭にキャバクラだなんて、許可出来るわけないでしょ。他のものにしなさい」



「えー」



「それと私は不二子ではありません。藤先生と呼びなさい」





先生は眼鏡を指で押し上げると、切れ長な目を細めて中山君を睨んだ。

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