第77話

「それ、貼ってた方がいいわよ?見せびらかしたいなら別だけどー」




そう言って私に鏡を渡す。




「え?何が?」




里恵子に渡された鏡を受けとって私は鏡を覗き込んだ。




首筋に赤い痣みたいな……




里恵子の言っている言葉を理解した私は首筋を手でぱっと隠した。




全然気付かなかった……。




顔が熱くなる。




「ふふ。篠田君も可愛いーところがあるのね?」




里恵子はクスクス笑いながら私から鏡を受けとる。




「今日、ユッキーの家にお邪魔するわ。その時にじっくり聞かせて?昨日のこと」



「うん…。わかった」




バレちゃったし……。




私は昨日のことを里恵子に話すことにした。




里恵子はにっこり笑って自分の席に戻っていった。

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