第76話

これで一安心……。




「ユッキー。昨日、篠田君の家に泊まったの?」




と、思ったのも束の間、ニヤリと笑う里恵子。




「ど、どうして里恵子が知ってるの?」




えぇ!?どうして?




誰かに見られた?




血の気がスーッと引く。




幼なじみだから家に出入りするくらい普通のことだけど……




昨日あんなことがあったから後ろめたく感じる。




「そう……。なるほどね?」




里恵子はクスっと笑いながら頷く。




え?里恵子?




里恵子の言動が分からない私は首を傾げた。




里恵子は緩く笑みを浮かべたまま、ブレザーのポケットから絆創膏を取り出した。




「ふふ…。心配しないで。誘導尋問みたいなものよ?」




そう言って私に絆創膏を渡す。




「え?何これ?」




絆創膏を渡された私はよく分からないまま、じっと里恵子を見つめた。

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