第70話

「祐希の"初めて"全部俺が貰っちゃったね?」




涼はそう言って微笑む。




顔がカァーっと熱くなった。




「やだっ。恥ずかしいから言わないで……!」




恥ずかしさから逃れようと両手で耳を塞ぐ。



そうだ。よくよく考えてみれば、私の初めては全部涼にあげちゃったんだ。




ってか涼にそれがバレたのが恥ずかしい。




もう、好きってバレバレなんじゃ……?






「可愛い」



「へっ?」



「昨日はもっと可愛いかったけど」




涼は首を横に振る私を見て笑う。




今日の涼は意地悪だ。




「どうして意地悪なことばかり言うのっ…?」




頬を膨らませて怒る私に涼はクスっと笑った。




「朝からそんな大胆な姿を見せられちゃうと…ね?」




涼はさらっとそんなことを言う。




大胆な姿?




……あっ?!




自分の姿を確認した私は急いで布団で体を隠した。




私、何も着てないんだった……。




顔が熱くて熱くて堪えれなくなる。

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