第69話

「えっと…。私、寝ぼけてたみたいで。その……」




つい、本音を……。




あたふたとする私に涼はクスっと笑った。




「おはよう。お姫様…」




そう言って私の左手を取って手の甲にキスをしてくる。





やばい。カッコよすぎっ……。




本当の王子様みたいにかっこよくて胸がキュンとする。




それにお姫様だなんて……




涼に言われると本当にお姫様になったかのような錯覚に陥っちゃうよ。




って、そういえば……





「初めてキスしたときも言ってたね?それ……」




懐かしさで胸がいっぱいになる。




お姫様だなんて言われてあの時も舞い上がってたっけ?




「覚えてたんだ……?」




涼は笑みを浮かべて私の髪に指を通す。

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