第58話

涼が好き。



このまま幼なじみで終わってしまうくらいなら……。




私は涼の腕を引いてベッドの中に引き込んだ。




「祐希……?」



「涼…。お願いがあるの……」




困惑している涼の目をじっと見つめる。



涼は目を見開いて真っ直ぐ私を見つめ返してくる。




自分の欲の為に涼の優しさを利用する私は最低だ。




でも、止められなかった。



止めることが出来なかった。



だって、ずっとずーっと大好きだったの。



子供の頃から、飽きることなくずっと大好きだった人。




「なに?お願いって……」


「…………」


「祐希……?」





起き上がろうとした涼にギュっと抱きつく。




優しい声で私の名前を呼ぶ涼に怯みそうになる。




でも、私…決めたんだ。




このまま幼なじみのままの関係でいて、涼が私から離れていってしまうくらいなら……



関係が変わってしまってもいいって。

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