第51話

ドリンクバーのコーナーに寄って、10号室の部屋のドアを開ける。




「おかえり?遅かったね?」




戻った私を涼は笑顔で迎えてくれた。



その優しい笑顔に心が凄く安心する。




「涼……」



「何か…あったの?」



「…………」



「大丈夫?」



「……うん」




少し動揺しながら頷いたら涼は私の顔を覗き込んできた。



そのまま何も聞かずに私の頭を撫でてくれる。



涼はいつも本当に優しい。



優しすぎて、ついつい甘えたくなっちゃうよ…。




「涼……!」




胸がいっぱいになって涼に思いっきり抱きついた。



そのまま背中に腕を回してギューっと涼を抱き締める。



涼の匂いだ。安心する……。




「え?祐希……?」




いきなり抱きついた私に涼は困惑した様子だった。



声でわかる。

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