第47話

「……は?」



「……え?」



「……はいっ?」




長い沈黙の後、3人揃って驚きの声を出した。




「ちょっと、どういうこと?」



「だから、先に予約を取って部屋は別々にしたの。私と魔王は5号室で祐希と王子は10号室だからっ」




そう言って美雪は健の腕に自分の腕を絡める。




え…?私と涼が同じ部屋なの?



嬉しいけど…嬉しいけど、2人っきりなんて緊張するっ。




「後で遊びに来てねっ」




美雪は口をパクパクさせている私を気にする様子もなく、手を振って健を引っ張って先に行ってしまった。




「ちょっと……」




美雪の行動は相変わらず理解不能だ。




「まぁ…せっかくだし、楽しもうよ?」




それまで黙っていた涼に手を引かれて部屋に向かう。




手…!手を繋いで歩くのなんて久し振り……。




「そ、そうだねっ」




涼に手を繋がれてドキドキしたことを隠しながら私は涼の後をついていった。

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