第41話

放課後。



担任に用事を頼まれて遅くなってしまった私は急いで駅前に向かった。




早く行かないと待ち合わせの時間に間に合わない。




美雪は時間厳守だからなぁ…。



遅れたら何を言われるかわからないし、早く行かなくちゃ…。




凄く焦りながら走っていたせいで、すれ違った人とぶつかってしまった。




「あ、すみません……」




振り返って慌てて頭を下げる。




「いってぇな……」




苛立った声で凄まれてギクッと体が強ばる。



ぶつかった相手は髪を金髪に染めて、いかにも不良っぽい他校の男子生徒の2人組。




「謝って済めば警察なんていらねぇーんだよ」



「そうだ。きっちりお詫びして貰わねーとな」




昭和のドラマに出てきそうな台詞を述べた2人組は、頭を下げた私をニヤニヤ笑いながら舐め回すように見てくる。



そんなに見られたら恐いんですけど……!




「あの、本当にすみませんでした……」



「あーダメダメ。ちゃんとお詫びしてよ」



「そーそー。ちょっと俺たちに付き合ってよ」




2人組は笑いながら私の腕を引っ張ってどこかに連れて行こうとしてくる。



恐くて体が震えてきた。




「や、やめて下さい……」



「震えちゃって可愛い~」




震える私を嘲笑って、2人は私の腕を引っ張ってそのまま路地裏の方に歩き始めた。




どうして路地裏?



凄くマズい状況になってきたんじゃ……。

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