第40話
「ちょっとー?赤くなってるけど、本気で何かあったの?」
「別に…っ。何かあったわけじゃ……」
焦りながら否定する私に美雪はニヤニヤと笑う。
「怪し━。ついにヤッちゃった?」
そんなことを朝からサラっと言ってくる美雪にさらに顔が熱くなった。
美雪も健もどうしてそっちに持っていくんだろ……。
「そ、そ、そんなことしてないよっ!!」
吃りながら慌てて否定する私。
焦ってるってバレバレかも……。
「はははっ。わかったってば。でも、何があったの?」
「だから何も……」
「言わないならいいよ。王子に聞くから」
うっ。それは余計に困る…。
美雪のことだから涼に変なことを吹き込みそうだし。
楽しそうに聞いてくる美雪に観念した私は3日前の夜の涼とのことを話した。
「やーん。王子ったら可愛いーっ」
私から話を聞き終わった美雪は両手で頬を押さえて、うっとりとした顔で目をキラキラさせてる。
何だかものすごーく嫌な予感が……。
「よし。決めた」
何か決意しているし。
「あの、美雪?」
……また良からぬことを考えてない?
苦笑いを浮かべる私を無視して、美雪は私に向かって指を指した。
「今日、18時に駅前のカラオケに集合ね」
「え?ちょっと……」
美雪はそう言うなり私の返事を聞かないまま教室を出て行ってしまった。
美雪……。何を企んでいるんだろう……。
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