第34話

「祐希?」




涼の視線を感じて、心臓はドキドキを通り越してバクバクしちゃってる。




「本当に寝たんだ……」




涼はそう言って私をギュっと抱き締めてきた。



子供の頃みたいに。




でも、子供の頃とは違って気絶しちゃいそうだよ。



緊張しすぎて呼吸困難になりそう……。




涼はそんな私に気づかずに優しく頭を撫でてくれてる。




それが凄く心地いい。



安心出来て幸せな気分になる。




涼に頭を撫でられると、いつも眠くなるんだよなぁ……。



さっきまで緊張していたのが嘘みたい。




ゆっくりと夢の中に入り込んでいく。




「おやすみ……祐希」




暫く頭を撫でてくれた後、涼は私の額に口づけを落として眠った。




涼に抱き締められて眠るのは凄く恥ずかしかったけど、凄く嬉しくて……




私は心地いい温もりに包まれながら夢の中に落ちていった──。

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