「んー、俺なら大丈夫だから。それに布団も父さんたちが持っていったから余ってないし」

涼はそのまま目を閉じて寝ようとする。

お布団なかったんだ？

オジさん達もお客さん用に置いてってくれればいいのにっ…。

「じゃあ、私が床で寝るから涼がベッドを使って？」

床で寝ようとする涼の肩を揺すって起こす。

涼のベッドなのに私が占領したら申し訳ないし。

「女の子を床で寝かせることなんて出来ないよ」

涼は閉じていた目を開いてフッと笑った。

「そんな…でも……」

「大丈夫。一緒に寝るわけにもいかないだろ？」

私の髪を指で弄りながら涼はクスクス笑って私を見つめてくる。

一緒にかぁ……。

昔は泊まりに来た時はいつも涼と一緒に寝てたっけ？

「いいよ？昔みたいに一緒に寝ようよ？」

ちょっとドキドキするけど、子供の頃みたいに一緒に寝るのも楽しそうだし。

「寝てもいいけど……」

涼は一度言いかけた言葉を止めて、私の髪から手を離した。

「……涼？」

「俺だって男だから……ね？」

不思議そうにする私に向かって涼はふわっとした微笑を浮かべる。

少し遅れて涼の言った言葉を理解して耳が赤くなるくらい顔が熱くなった。

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