第29話

「今から帰る?それとも泊まっていく?」




あたふたしている私を気にすることなく涼はサラっと言う。




「えっと、どうしようかな…?」




明日は学校も休みだけど、涼と2人きりでお泊まりなんて久々で緊張しちゃう。




でも、次はいつお泊まり出来るかわからないし……。



こんな美味しい…いや、チャンスなんて滅多にない。




「もし、泊まって行くならこの前祐希がしたいって言ってたゲーム買ったんだけど…する?」




涼はゲームソフトを私に見えるように持ち上げた。




これは……。


私がしたくてしょうがなかったパーティゲーム…!!




「するっ」




しないわけがない。



これを買うためにお小遣いを貯めてたくらいだもん。



こっそり買っちゃうなんて、涼ったら…優しいっ。



お小遣いも浮いちゃったし。




「じゃあ、ゲームしよっか?」




涼はそう言いながら、笑顔でゲームを抱き締めた私に笑顔を返してくれた。

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