第28話

そういえば、美雪と健の姿が見えない。



リビングにいるのかな?




「美雪と健は?」



「あの2人なら帰ったよ?」




帰った…?




「え?帰っちゃったの?」



「数時間前にね」




2人とも帰ったんだ…。



ってことは今は涼と2人っきり……って数時間前?




クスクス笑う涼を不思議に思った私は時計を見て驚いた。




「えぇっ!?もう1時なの?」




時計の短針は午前1時を指している。




寝惚けてたけど、まだ19時頃だと勝手に思い込んでた。



ど、どうしよう?



今日、涼の家に行くって連絡もしてないし、こんな時間まで連絡もしないでお母さん怒ってるだろうなぁ……。



やだな。お母さん怒ると怖いし。




「あ、オバさんには俺から電話しておいたから」



「ホント?ありがと…!」




涼の言葉にほっと胸をなで下ろす。




良かったー。お母さんに怒られなくて済む。




「オバさんにさ、泊まっていくからって言ったけど…どうする?」



「泊まっ……え?」




思わず顔を上げて驚いた顔で涼を見た。

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