第24話
映画が始まった。
血塗れの白い着物姿の女の人が画面を横切っていく。
ストーリーは女の人の執念が…ってよくある話。
でも、私にとっては気絶しそうなくらい怖い。
怖すぎて血の気が引く。
ソファの上で体育座りをしていた私は、さらに深く膝をギュっと抱え込んだ。
美雪は健の腕にしがみついてキャーキャー叫んでる。
でも、美雪……。
顔がニヤけてるよ?
この為だったのか!って今更気づいた。
美雪ったら……!
心の中で美雪に悪態をつく。
映画は中盤で話が進むにつれて想像していた以上に怖くなってくる。
もう、無理……。
怖さに堪えきれなくなった私は少しでも怖さを紛らわせようと近くにあった何かにしがみついた。
「……祐希?」
涼が遠慮がちに小さな声で私に声を掛けてくる。
「なに…?」
私はしがみついた何かをギュっと抱え込んで顔を上げずに返事をした。
「あのさ……、」
涼はそう言ったきり、なかなか言葉の続きを言おうとしない。
どうしたのかな……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます