第22話

「見るわよね?」



「見るよな?」




だけど、美雪と健は有無を言わさない勢いで私に詰め寄ってくる。




2人とも私に強制的に見せるつもりなんだ。




だって2人とも口元がニヤけてるもん。



ホント、意地悪っ…!




「えっと……」



「なに?怖いんだ?あーあ、場の雰囲気ぶち壊すのかよ」




苦笑いを浮かべる私を責めるように健が腕を組んで不満そうに片眉を上げてため息をつく。




んー。怖いけど……。



確かに今日集まったのはDVDを見る為なんだし、断るのは皆に悪いかな…?



仕方ない。我慢しよう。



怖いけど……。




「み、見るっ」



「よくわかってんじゃん。じゃ、見るか」




私の返事を聞いた健は満足そうにそう言ってDVDをデッキの中に入れた。




そして何を思ったのか部屋の電気を消して部屋の中を真っ暗にする。




「……どうして部屋の電気を消すの?」



「は?ホラー映画を見るなら部屋の電気を消すのは当たり前だろ」




真っ暗になった部屋に怖さが3割増す。



そんな私を面白がるように健は美雪の隣に座ってクスクスと笑う。

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