第20話
放課後、私たちは涼の家に来た。
洋風の一戸建ての家に緑の芝生を敷いたお庭。
オバさんが趣味で植えたお花が綺麗に咲いてる。
「お邪魔しまーす」
玄関を通り抜けて、私と健はいつものように涼の家に遠慮なく上がった。
「1人でこの家に住むの寂しくない?」
初めて涼の家に来た美雪は、リビングに続く廊下を歩きながらキョロキョロと家の中を見渡してる。
確かに寂しくないのかな?って思っちゃう。
一戸建てのこの家に涼は今1人で住んでいるから。
涼はオジさんの出張が決まった時に、両親について行かずに1人でこっちに残ったんだ。
理由はわからないけど、あの時は涼が遠くに行かなくて嬉しかったっけ…?
「別に…そんなことないよ?」
リビングのドアを開けながら、涼は表情を変えずにサラっとそう言った。
美雪はそう?なんて返事をしてる。
涼は寂しくないんだ?
私ならこんな広い家で1人で住むのは寂しいけどなぁ…。
「いいよなー。俺も1人暮らししてぇ」
話を聞いていた健が、リビングのソファにドカっと腰を降ろして心の底から羨ましそうに目を細めた。
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