第19話

「それならさ…あたしと祐希と魔王と王子の4人で遊ばない?」




美雪は眩しい笑顔をさらにキラキラと輝かせて、私に詰め寄ってきた。




「え?4人で……?」



「そう。4人で。魔王が今日なら放課後に遊んでもいいって言ってくれたの」




4人でかぁ…って私と涼がいたらデートの邪魔じゃない?




「……お邪魔しちゃ悪いからヤメとくよ」




卵焼きを口に運びながら首を横に振る。




「邪魔なわけないじゃん。4人で遊ぼーよ」




だけど、美雪は顔の前で手を合わせて首を縦に振るまで譲らない勢いだ。




あの件を美雪に話して以来、何故か美雪は頻繁に4人で遊ぼうと誘って来る。




「でも……」



「王子の家で新作のDVD見るんだってさ。祐希が来なかったら王子独りぼっちだね」




渋る私に美雪が項垂れる。




健と美雪に挟まれて1人……。



涼、気まずいよね。




「わかった。私も行くよ」



「よし…!決定ね!」




眩しい笑顔を振りまいて、ガッツポーズで飛び上がる美雪。





そんなやり取りの末に、私たちは放課後に涼の家に行くことになった。

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