第11話

「ま、いいわ。で?誰が俺と付き合いたいって?」




何も言わない私に痺れを切らしたのか、健は質問を変えた。



それを聞いた美雪が遠慮がちにゆるゆると小さく手を挙げる。




「あ、はい……」



「そっか。彼女のうちの一人としてならいいけど?」



「……え?」




健の一言を聞いて凍りつく。



鳥肌がゾワっと立った。




健はそんな私を気にする様子もなく、美雪に向かって意地悪な笑みを浮かべてる。




この男は懲りずに美雪まで自分のハーレムの一員にするつもりなの!?




私の大事な友達を……って美雪ったら照れてるし!!




頬を染めて恥ずかしそうに俯く美雪に軽くショックを受ける。



やばい。美雪が健に遊ばれちゃう前に止めなきゃ…。




「ちょっと……」



「お前には関係ねぇし」




私の言葉を遮って健は笑顔を崩さずに冷たく言い放つ。




そんな……満面の笑顔で低い声を出さないで欲しい。



怖くて何も言い返せなくなっちゃうよ。



それに視線が痛い。




教室に居るクラスメートの大半が好奇心いっぱいの顔で私たちを見てるし…。




「ちょっと、こっちに来て」




堪えきれなくなった私は、健の腕を引いて廊下に連れだした。

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