第9話
首を横に振って呆れる私に美雪は苦笑いを向けてきた。
「魔王、ほんとカッコイイもんね。あたしとも付き合ってくれないかな~?」
目をキラキラと輝かせながら健を見つめる美雪。
私は美雪の肩に手を置いて真剣な顔を浮かべた。
「健は遊び人だし、付き合ったら美雪が苦労すると思うよ?」
美雪は“健の彼女になりたい”って言うけど、健は涼とは違って来るもの拒まず……の遊び人だし。
今思えば幼稚園のときには、もうプレイボーイだった気がする。
『僕の彼女ー!』なんて言って子供の頃から女の子を連れて歩いてたっけ?
でも、彼女が出来てもすぐに別れちゃうんだよなぁ……。
いつもすぐに別れて、付き合っての繰り返し。
それどころか一度に何人もの女の子と付き合ったり、彼女でもない女の子と……。
健の恋愛経歴を思い出して思わずため息が出た。
「そんなこと言って…実は祐希が魔王のことが好きだったりして」
美雪は心配する私の心境に気づかずに、ニヤケながら私の脇腹を肘で突っついてくる。
「ち、違うよ!!私は健みたいな遊び人じゃなくて……」
涼が好き。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます