第7話
えっと、どうしよう?
何かいい言い訳ないかな?
今日見た雀が可愛くて。とかは変だし……。
「あ、その…ね?」
「祐希?早く用意しないと遅刻しちゃうよ?」
再び口を開いた私の言葉を遮って、涼が壁時計に指を指す。
やったー!逃げられる言い訳が出来た。
涼ナイス!さすが涼だよ。
「あ、ホントだ。私、用意して来る!!」
「あ、おい。ちょっと待て」
話を中断してリビングを出て行こうとした私の腕を、健は逃がさないと言わんばかりに力強く掴む。
その強い眼差しにギクッと体が強ばった。
「あ~、さっきのは何でもないよ?それより私、用意しなきゃ」
「正直に言え」
やんわりと腕を引き剥がして後ずさる私を、健は探るような目で見つめてくる。
うわぁ、かなり怪しんでるよ。
いつも優しい涼とは違って、健は怒らすと怖いしなぁ…。
うん。でも、何とかなるはず。
ここは強行突破しよう。
「また後でね?」
「あ、おい。ちょっと待てって」
健が叫んでたけど、私は無視をして学校に行く準備を始めた──。
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