第53話

私はこの授業の良さを分かってくれる幸人先生を馬鹿にしてた。でも幸人先生は授業は面白かったというのだ。どうしてだろうと思ったら、教科書を見ないで君の意見で進めていく人はなかなかいないよ。君のその発想は面白かった。でもね。生徒たちはゆっくり書かないと伝わらないんだよ。質問の時間をいれることが出来れば君の授業は面白いと思うんだという。こいつはわかるんだと思った、それと同時にこの先生の事をもっと知りたい。次の授業は補助するから戻してとお願いしますといったが、こちらとしても次は君の客観的な意見も必要だとお願いされた。そして今日は一人違ってみんないいというテーマで授業を始めた。その中で幸先生の生い立ちやどうして先生になったかということを話し始めた。僕の生い立ちを話す前に中には人には人生ってもんがあるんだ。だからそれを否定したりとかみんなの思い込みもあると思う、それも意見としてとらえてほしいというと、この福井幸人の授業というものを私は涙を流すことになるとはこの時は思わなかった。

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