第12話
「はじめまして」というと、俺の両親は幸人と面識があったため、「いつもうちのバカ息子が幸人君にお世話になっています」というと、幸は「おばちゃん、おじちゃん。弘紀はバカじゃないよ。ちゃんと自立してるし、俺よりもしっかりしてるよ」というが、そう言ってもらって俺も嬉しいがすると幸の母親は苦笑い。俺が「すみません」といったら、幸の母親が「大友といいます。初めまして」といいあいさつをした。幸の親父に「いつもなにかと抜けている息子をこれからもよろしくお願いします」という。
「あっすみません。お茶出さなきゃ」という幸。
そのことについて両親が笑った。
そう幸は抜けてるというやつはこういうことだ。
俺がお茶なら用意してるってのに。すると「弘がやってくれてたんだというと父さんの言った通り、僕は抜けてるね」というが俺はそんなこと気にしてないしな。「相手が弘だったからよかった。ありがとう」という。
そんな幸をみて、うちの親が何を思ったのか、「私たちは幸君と出会ったころの頃です。弘は絵本取られて何も言えないときに幸君が助けてくれたと聞いてびっくりしました。弘は気が弱くて無口だったんです。そんな弘は幸君という人間にあっていい人間に成長したんだなって思います。そんな幸君を生んでくれた両親に私たちは感謝しています」というと、幸の親父が「弘君、うちも息子を好きになってくれたのが弘君でよかったと思ってるんだよ。幸を障がい者に生んでしまった事で私と妻は責めてたんだ。幼稚園の時、幸は何も言わず、いじめに耐えてたことは後になって知ったが、幸人にも弘紀くんという友達が出来たことで明るく元気に優しい子に成長したんだよ。弘紀くんのおかげなんだよ」というと、俺と幸からのお願いがあった。それは幸から「お父さん、僕が障がいを持って生まれてきたことはお父さんのせいじゃないよ。もちろんお母さんのせいでもないよ。僕はこの障がいはプレゼントではないかと思うんだ。神様から特別にもらったね。こんな贅沢なプレゼントないよ。今すごく幸せなんだもん」という幸。
幸人の両親に俺からも「幸はね。生まれて一度も生まれてこなきゃよかったとかというそんな弱音は吐いたとこは見たことがないんですよ。そんな幸をみて一目ぼれしたってか、好きになったってか。なんか幸って不思議なんです。俺も幸人といてあきたことないんですよ。俺ね、高校の時に幸に会いたいと思ったけど、幸人と会いたくないと思ったことがないんです。それぐらい幸人といると幸せなんです。だから幸人が障がいを持ってることは俺にとってはプラスなことです。だから幸人の言うとおり、自分を責めないであげてほしいんです」とお願いした。「さてと僕と弘はちょっと出かけてくるから両家で話をしていてね。お茶もお菓子もあるから。さあ、弘紀行こう」というと、幸と俺は出かけた。
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