第4話
近藤がトイレに行ってくると伝えると敬君が押してくれていた。
近藤は敬君と一緒に居たかったのだと思う。
敬君の母親は近藤に惚れこんだみたいだ。
するとフミさん。近藤さんってどんな感じなんですかと聞かれた。「車いすに乗ってるだけで普段は普通の男ですよ。仲間思いで熱いそんな男です」というのだ。「彼女いますよね」というので、俺は「それは本人しかわかりませんけど、近藤俺よりかっこいいと思いますね。だって本当に意志の強いいい男ですし」というと、「そうなんですか」というのだ。この人って近藤がタイプなのかなと思った。そして敬君と近藤が帰ってきた。敬君は俺の事を近藤を真似てフミさんと呼ぶ。俺の名前は矢代史典(やしろ ふみのり)という。
みんなフミさんって呼ぶが、ヤスには隊長と呼ばれているのだ。隊長ってって思ったが、ヤスはいいやつだ。そういえばヤスは・・・・。過去の事だからな。あんまり本人がいいたくなさそうだしいいか。すると近藤は敬君に「タモツでいい、そう呼べ」というが敬君は「じゃあタモさんでいい、僕の事は敬でいいよ」という。
「敬かあ。いい名前だな。誰がつけてくれたんだ」って聞くと敬君は「ママだよ」といったのだ。
すると「私シングルマザーなんです。この子の父親はこの子が産まれてることも知らずにこの世を去ってしまったんです。珍しいガンだったんですが、彼の前向きさには今でも頭が下がります。実は同じ会社の同僚だったんですよ。私が彼を尊敬していましたし、この子には人を尊敬できるような子になってほしいとつけたんです。といった。「うちと同じですね。タモツも母親がつけてくれたんですよ。俺、障がい持ったのは7歳の時、鉄棒の練習中に落ちて、脊椎を痛めたんです。いわゆる脊椎損傷ってやつです。それと手も不自由なんですよ。」というと「まあ、でも近藤さんはあきらめなかったんですね。私そういう人尊敬します。」と言われて、近藤は照れたみたいだ。そして親子は「また店に来ます。今日はこれで」というと帰っていった。「ちょっと外まで行きます」という近藤に俺も一緒に行くと、ではまたというと、近藤が外で見えなくなるまで見送ったことは言うまでもない。「フミさん、俺、あの人好きになってしまったみたいです。男として告白するべきですか」と聞いてきた。
俺はびっくりした。「近藤、お前。」というと近藤は照れていたみたいだ。
そんな話を牧野夫婦にしたら、「へえ。そうなんだ。近藤君がねえ。いい人なんだね」というと「フミさん応援してあげてくださいね」というかおちゃんと龍君。俺は近藤を応援するつもりだったので言われなくてもそうするというと二人が笑ってくれた。
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