許すということ

第49話

人はいつかきっと許されなければいけない。お父さんはそういったことを思い出す。

「タツキはどうなんですか、こんなカナコの事を許せますか」と聞いてくる。はい父は、もう許してあげなさいと言ったと思います。そして私は生きてます。だからいいんです」というと私をツバキは、切なそうに見ていた。そしてカナコに「タツキはあんたを許すといってるが、あんたはどうするんだ」という。カナコは「あなた方の指示に従います」という。「あんたの処分はカシに任せる、俺からの条件は生きてほしい」ということを伝える。

「はい生きます。絶対に」という。

「ツバキ様いいんですか。私の処分で」というと。

「この女を生かしておくことが俺の条件だ」という。

「じゃあ、これからあなたには樹と同じことをあなたにします。あなたを拘束します。この部屋を出ることは許可なしでは許しません。それを4年続けてもらいます。必要なものがあれば言っていただければ私が買い与えます。それと、カナコ覚せい剤をやってるみたいですね。薬が抜けるまでの間、医師の診断を受けて指示に従ってもらいます。」とカシがいう。

するとカナコは「覚せい剤って」聞いたことはあるがやってないというけど。「お母さん、実はリツって男にもらった薬。ビタミン剤じゃないんだって。覚せい剤なんだって。」というと、カナコは驚くが「持ってるもの全部預けなきゃいけないのね」という。カシは「困りますか」というと「タツキに中身を確認してもらえないかしら」というと、「はいそれはかまいません」というから、預かる。荷物検査するねというと、中には薬が出てきたので、カシがツバキに処分をお願いした。

あとは、父の写真が出てきた。「それは」というと私の手から取り抱きしめる母。「ダメです。今のあなたがそれを持っていると辛いです。離したほうがいい。あなたはこの写真があるから前を向けないんです。だからこれはタツキに預けたほうがいい」と言った。

「カシ、いいじゃない。母は父が恋しいだけなのよ」というと、母は「タツキ、ありがとう、カシのいいたいことはわかってるつもり、いつまでも前を向けないのはこの写真というものに甘えてるの。でももうこれと別れないといけないの。さあしばらくお別れよ。いつかまた会いましょうね」というと母が「タツキ、あなたが持ってて、カシがいいって言うまで」と母は私に写真を渡してきた。

「タツキ、ツバキ様と華麗組に戻ってください」と言われた私。

「タツキありがとう。またここに来てね」と母。

「いいですよ。タツキが来たいときで」とカシ。

うん、また顔出すからというと、私を見送る母。

そして、私は華麗組にもどった。

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