椿の咲く季節に
第43話
今日はツバキの誕生日だ。
春の訪れを感じさせる立春はツバキの誕生日だ。
カエデちゃんと会う事も含め、ツバキに内緒でマサキさんと一緒に街に行く。マサキさんは本当にいい人だ。ツバキの誕生日だってことでカエデちゃんと会う口実を作り出かける私についてきてくれる。「兄貴にはカエデちゃんとお茶をするってことで言ってあるからね」とマサキが言う。私は一人で出かけることはできないためついてきてくれる。あの視線が気になってから私は一人で外に出ないようにしている。
「マサキさん、あのお仕事忙しいのにすみません」と私がいうと、「俺非番だよ。今日は一日使ってね」というマサキさん。
「あの非番ってなに」って尋ねたところ、「仕事休みってこと」って言われる。「そんな休みなのに悪かったです」というと、「カエデに会えるから」と彼も嬉しそうに話す。
そして、待ってるとカエデが来た。
「タツキさん。お久しぶりです。」という彼女はボーイッシュなスタイルで笑顔で話す。
さあ買い物に行きましょうとマサキとカエデがいう。
「えっそれって。ちょっとタツキさん、高級ネクタイじゃない」と私に楓さんがいう。
「兄貴はタツキちゃんの物ならなんでも喜んでくれるよ。だけどこういう高価なものはダメだよ」というと。「大丈夫だよ。カシがお給料くれたから」とその中から3万を取り出すと「これしか思い浮かばなかったから」という。
「あきれたわ。タツキちゃん、本当に兄貴の事好きなんだね」と話す。
「さあ、お茶行こうか」と二人が喫茶店に私を引っ張っていく。
「いらっしゃいませ」という声。
「カエデさん、お久しぶりです」という声。
「梓(アズサ)ひさしぶり」という。
「ご注文は」というと。
マサキが「ブレンドコーヒー」
カエデは「ブレンドカフェラテ」
二人がタツキさんはというと「これで」と指を指す。
「それはと指を指すところを見ると、「イチゴミルク」と書いてある。恥ずかしいと真っ赤になる。
「かしこまりました」というアズサさん
「なんでイチゴミルク」と顔に書いてある。
「だってコーヒー飲んだことないんだもん」というと二人が「マジで」という。
「タツキさん、かわいいわ」というカエデさん。
「あのーカエデさんって歳はいくつですか?」というとカエデさんが「私まだ19だけどもう20だよ」と笑って答えてくれた。
「もっと年上かと、すみません、すごく大人っぽいって言う意味です」と私が言うと彼女は
「あははやっぱりそう思うか。私ね高校いかず、専門学校に行ったから、美容師として働いて2年目だよ」っていう彼女を尊敬してしまうほどだった。
ここで疑問。ツバキって何歳だって思う私。
「兄貴今日で22歳だよ」っていうマサキ。
じゃあマサキは
「俺は20だよ」という。
「二人とも大学いってるから兄貴はもうすぐ卒業なんだよね」と続ける。
「大学どこ」って聞くと南東大って言われたので「あの南東大」と聞く。「兄貴か薬学部で俺は法学部さ。」
「南東大」というのは、この地方では有名な政治家や有名な人が多い大学で有名である。
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