不機嫌な理由

第14話

SIDE 椿

タツキどこだ、あいつどこに行きやがったんだよ。まさか出て行ったのか。

そう思ったが、次の瞬間

「タツキは私の所にいます」とカシの声が聞こえた。

カシの部屋か。

「どうしましたか。ツバキ様珍しいですね」

俺が慌てるのがそんなに珍しいということか

「ほほう。兄貴タツキちゃんに惚れましたな」と柾が耳打ちしてくる。

そんなんじゃねえというが、マサキには隠せないし・・・・

「椿さん私に何かご用ですか?」

「そうだお前身体はもういいのか。なら買い物行かねえか、マサキ、仕事だ。護衛頼むな」というと。

「かしこまりました」というマサキ。

俺たちは車で出かけることになった。近くのショッピングモールだ。

「あっ夕ご飯私が作ります、何がいいですか」とタツキがいう。

「兄貴がメニュー決めていいよ」マサキがいう。

「ハンバーグが食べたい」というと、「私、料理あまり得意じゃないよ」というタツキ。

するとマサキは意外な顔を俺に向ける。

そう、俺はマサキにあの日の事を言ってない。

俺にとっては、あのハンバーグが食べたいと思うが次の瞬間マサキが「俺はハンバーグ苦手だけど兄貴がいいっていうなら仕方ない」とあきらめてくれる。

お店につくと、ハンバーグの材料をかごに入れるタツキ。

なんで初めてのはずなのにテキパキとこなせるんだ。

タツキお前初めてなはずなのにどうしてこうもできるんだ。

「周りはこうしてるでしょ。買いたい材料はわかってるし」というタツキ。

「カシが言ってたけど、この子観察力が優れてるみたい」とマサキ。

お前学校は

「行ってないけど。高卒の試験は受かってるよ」とタツキ。

おいおいお前すごい。

「そんなことないよ。勉強しかやることなかったし。結構楽しかったの」というタツキにびっくりした。

そしてレジに向かい、金を払うタツキ。

なにか周囲に対する視線が気になった。

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