情報屋

第6話

公園までお姫様抱っこで運ばれる私。

公園に来たとき、「おろしてください」という。

「ふふふ」という笑い声が突き刺さるように私に聞こえる。そしてなんだか周りからの視線を気にしたので。カシが「わかりました。このままあなたを連れていきたかったのですが、そこまで嫌がるならしかたないですね、でも逃げないでください」と言われると「私どこにも行くとこないもの、だから逃げたりしません」といい、そこから私は歩いてこのカシという男についていく。

そこには小さなアパートがあった。

私は父の友人であるこのカシという男に聞きたいことがたくさんあった。

「どうして私を連れ去ったの」

「あなたはあの家にいると、あの母親に売られることになると思ったから、そんなことをあなたの父親松マツは許すはずがない、だからです」

「父と仕事のパートナだったんですか?父はあなたと何をしてたの?」

「私とマツは情報屋です。」

その言葉にはっとした。

そういえば父は昔情報屋という仕事をしてたと一度だけきいたことがある。

「カシさんそれは父ですか?写真が飾ってあるけど」

「そうです。若いときのあなたの父マツです。あなたを無事に救出したことを報告しようと思って。マツは羊羹が好きでしたから、これから供えようと思うんですが」

「何で知ってるの?」

私はカシさんの言葉にびっくりした。

たしかに羊羹は父の好物。そっかこの人の事だったんだ。

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