第11話

すみれは自分が何歳だと思うかと聞かれてわからないといったが、そっか。誕生日もわからないのかと言われた。えっ誕生日ってなにというと、お前の生まれた日だよというおじさん。お前の母親は風呂で生まれたことだけ教えただけかと聞かれた少しだけ記憶があるのは暑い夏におじいちゃんという人が一度だけ会いに来てくれたのだけ。そん時は母が特別だっていって仕事もいいといってくれて、こんなきれいな洋服着せられておじいちゃんの膝に乗ってたな。おじいちゃんはかわいいねっていってたような。そんな思い出が頭によぎった。おじさんは私に大丈夫というととっさにおじいちゃんの名前を言った。道じいちゃんという私。道がおまえのおじいちゃんの名前なんだなというとうん。たぶんと言った。おじさんにこの話をした。するとへえ。そんな思い出があったのか。と話しながら食べていた。後で調べてみるかと思ってると、すみれが食器を洗ってるのだ。びっくりしておじさんがやるからいいんだ。というと怒られたと思ったみたいで、おじさんに怒られるの嫌だというが、怒ってないよ。ただおじさんはすみれのやってることはいいことだとは思ってるけど、すみれの手が痛そうでね。だからやらなくていいって言ったんだよ。ゴメン。びっくりしたんだろうというと、ごめんなさい。おじさん。というのだ。頭を撫ぜてよしよしとしてやると、落ち着いてきたみたいで、すみれがおじさん。怒ってないのというと、ああー怒ってないよという。手を見せてごらんというと手荒れを直すためにクリームを塗ってやる。これで治るといいんだけどね。というとすみれはこういうのだ。おじさん、ありがとうという顔に思わず真っ赤になってしまった。

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