第75話

【おはよう、今朝は酷いツラして出勤してるのか?】



出勤し、タイムカードを押した途端に、門口からこんなラインが入ってて、ビクッとした。



確かにメイクもまともに落とさずに寝たから、肌荒れしたヒドイ顔をしていた。



……あの人、どっかで私の事見てるの?




【元々がヒドイので】



自分で自分を落とした返信をすると、



【俺は、お前の性格だけを気に入ったんじゃないぞ】



こんな返しが。

一見、上からな感じもするけど、パーフェクトな社長様だから仕方ない。

てか、この人も普通にラインとかするんだね。



【ありがとうございまーす】



ついでに荻田に似た、鼻をいじるブルドッグのスタンプをつけてやる。



【バカにしてんのか】



そうではないんだけど。



【そろそろ業務始まるので閉じますね】




冷たく返して、スマホはポケットに仕舞った。




なんか、ラインの連投されてる音が聞こえてるんだけど……。




きっと、昨夜のことを聞きたいんだろうね。


″相性″ 良いと感じたのかを知りたいんだ。


男のプライドってやつ?



そしてまだラインが連投され続けている音がした。





【大した業務でもないくせに偉そうにいうな】




【あ、いや、うちへの請求額の計算、大変だよな、偉そうに言って悪い】



【つーか、たまには俺のことも誉めろ】





……ほらね。

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