第71話

帰宅したのは夜中の一時。


「……ありがとうございました、おやすみなさい」


「あぁ、またな」



シ過ぎてダルいとか、本当に今までなくて、こういう疲労もあるのだということを知った。


このまま眠ってしまいたいくらい。



キッチンの電気を点けると、お父さんが食べたインスタントラーメンを炊いた鍋が流しに置いてあった。



……良かった。なにかしら食べてた。



全く家事をしなかったお父さんも、お母さんが亡くなる前から、少しはやるようになった。


人は変わる。



リビングの座布団の上で熟睡するペコを見て、

お風呂は朝から入ることにし、そっと、二階の自分の部屋へと向かった。



今までと違う自分になれそうな予感を胸に、朝までぐっすりと寝てしまった。






「おい、真樹、遅刻するぞ」

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