第69話
お金持ちはラブホなんて使わないのかと思った。
私がそう言うと、
「ラブホが一番充実してるだろ? 」
門口は笑って、かの有名な美人アナウンサーが元プロ野球選手と入ったというホテルの姉妹店へ車を止めた。
「そういや、犬と親父さん待ってるって言ってたっけ?」
「……待ってないかもしれない、もう寝てるかも」
「なら良かった」
入室した途端に抱き締められて、そのままベッドに倒れ込んだ。
「……いつも、こんな感じなんですか? お風呂は……?」
「言ったろ? 俺はせっかちなんだ。そして、素っ裸にはあんまりそそられなくてな」
既に唇が覚えてしまっている、門口のキスの角度。
男らしく大きな手は、抵抗しなくなった私の身体からすんなり制服のベストもシャツも剥ぎ取っていってしまった。
ここまで来たら全部を受け入れる。
そして受け身オンリーにはならない。
だてに30年近くも生きてない。
枕元のルームライトの調整に手を伸ばして自ら
好きな暗さにし、門口の脱衣にも軽く手を添えた。
お互いに下着だけの姿になり、気恥ずかしさを隠せないまま顔も身体も見つめ合うーー
「……こうやって見たら、あんた、綺麗な人だったんだな」
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