第51話

店を出て、車に乗ってやっぱり違和感を感じて聞いてみた。


「居ない。というか地元に戻ってきてからそういう感情にすらなったことない」




社長で、イケメンで、業界でも話題の逸材。

モテないわけないのに、なぜ彼女がいない?



「理想が高すぎるんじゃないですか?」



東京ではさぞかし綺麗な女性がいたでしょうから、こんな田舎では、ね。





「確かに以前は、身長が160㎝以上とか、年齢が五つ以上下とか、一重瞼は絶対にダメだとか、ウエスト58以上は無理とかこだわってたけどな」



……それ、私、全部ダメじゃない。



「でも、腹一杯になるまで好きなもの食べてたら、あとはもう、胃に優しいものを食べたくなるようで……」



「で、普通の女を求めてるってですか?

偽装彼女だけじゃなくリアルも?」



「そう。一緒にいて楽な方がいいじゃんか。

若すぎても綺麗過ぎても浮気とか心配だし、育ちの良すぎる女はかなりワガママだから」



「あー、それなら私なんて持ってこいの女ですね」



「そう、だから、本気で付き合いたいと思って」



「え、誰と?」



「お前だよ」



「はっ?!」



「は、じゃねぇ。今の流れからして他に誰がいる」





う。



うそ。



私?



「OKならこのまま、ご休憩に入るけどな」




そして、展開早すぎ!

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