第43話
こんな若くて美人な、お見合い相手。
写真を見て断ったって?
門口の女の趣味って変わってるの?
スレ違いざま、その女性に目をやることもなく、門口は私の肩を抱いたままホテルを後にした。
「大丈夫なんですか? あんな両家の顔にドロを塗るようなことして」
さっきの門口ママの怖いくらいの視線が忘れられない。
「強引に日取りまで決めたあのババァが悪いんだ」
さきほどよりも更にパワーアップした親への悪態。
男の人ってみんなこうなのだろうか?
「悪かったな」
「……あー、いえ」
まだドレス分も仕事してない気するけど。
「まだ寒いのに、いつまでもそんな格好させて」
「え? 」
突如、門口が自分の着ていたパーカーを私に羽織わせた。
急に優しくされるとどうしていいか分からない。
「あ、あのっ」
ドキマギしてるのを悟られないように、会話の糸口を探す。
「なんで、私の年齢まで知ってるんですか?
誰かに聞いたんですか?」
そもそも、偽装彼女になんで私を選んだの?
あなたなら、よりどりみどりでしょ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます