第27話

今度はなに?


門口が外のパチンコ屋を見て声を上げた。



「今、そこの店に入って行ったの、江島だったよな?」


「え?」


たまたま信号が赤になり、そのパチンコ屋の入り口付近を見ることが出来た。




ずんぐりむっくりの体型。

赤ら顔。

ふてぶてしい表情。



ダンプの運転席からも、どこからどう見てもうちの営業のエース(?) 江島さんだと分かってしまった。




「風邪引いて、電話も取れないほど寝込んでる人間には見えないけどな」



さっきまで穏やかだったコリー犬が、ドーベルマンみたいな表情になった。



「やっぱりアイツはうちの担当から外すように所長に言え。ちゃんとした新しいのが決まるまで連絡はお前にするからな」




「は…はい…」



これもノーとは言えなくて、あえなく私の名刺を渡した。


ついでに携帯番号も控えられる。



…私、ただの事務員なんですけどね。

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