第24話
久しぶりに見るマニュアル車のギア。
パニクってるところへ、門口社長がヘルメットを脱いで助手席に乗り込んできた。
「な、なんですか?」
接近した門口から、フワリと大人の香りがした。
多分、VVLGARIだ。
「今から別の現場を見に行かないといけないんだ。丁度そこのダンプ空いたからそれここに回す。アクセスリースまでの途中だから乗せてけよ」
「だからぺーバーだって言ってるじゃないですか?! 」
帰社だけでいっぱいいっぱいなのに、お客様乗せて寄り道なんて恐ろしくて出来ない!
それなのに、
「死ぬときは一緒だな」
門口は悠々と長い足を組んで発進を待っている。
「縁起でもない」
「安心しろ、大怪我して身体が不随になったら責任持って面倒みてやるから」
ドキッ。
なに、それ。
「……プロポーズですか?」
ちょっとトキメいたじゃないの。
「そんなわけないだろ。いいから早く動かせ」
「本当に知らないですからねぇ」
久しぶりの運転、プラス俺様社長様の送迎。
半端ないドキドキで、ハンドルを握る手は汗をかきまくっていた。
……てか。
ダンプ運転出来るんなら、あなたがしたらいいんじゃないの?
心の中で軽く突っ込んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます