第5話

「よし、ペコ、まだ明るいからいつもと違う散歩コースにしようか! あっちにねドッグランがあるんだって!」



犬が返事するわけじゃないんだけど。


耳の遠いお父さんとの会話はあんまり成立せずの毎日。

自然とペコに話しかける頻度は多くなっていった。



……私って寂しい女。





「ペコ、ほらっ、お友達が沢山いるよ!」



ドッグランがある公園では、やっぱり犬連れの人が多く散歩していた。



トイプードルやチワワの小型犬もいれば、コーギーやダックスフンドの足短い系、ちょっと怖いドーベルマンもいた。





おー、かわいい。


なんだっけ、あの犬。



金持ちの家に居そうな上品な犬。

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