第8話

ある日、太陽が困ってた。あれ、レポート入れたはずなのにないって言ってた。洋が声をかけてる。太陽、どうした。なんかあったかというと、レポートどこかに落としたんだ。どうしようといってると、洋が俺も探してやるといってる。二人が捜してるのを知って、俺も一緒になって探してたら、俺が靴箱の所に挟まってるのをなんだと思って、靴箱を退けようとしたその時だった。洋がこっちもなかったぞといい来た。渚なんだ。俺が靴箱をよけてやるといい、挟まってるものを取った。それは太陽のレポートだった。洋と俺に太陽はお礼を言った。俺が落としたものがここに挟まってたんだなという太陽。俺はこれは挟まったんじゃない、誰かが意図的にしたと思ったが、渚も洋もありがとう。助かったよという太陽は疑うことをしないからびっくりした。無事レポートを提出出来、嬉しそうに俺たちの前にやってきた太陽。洋はお前の笑顔最高だわ。お前、ここに入った理由ってなんで?と聞く。太陽はこういった。尊敬してる人の夢を俺が継ぎたいからだよという。その人は公園おっちゃんって呼ばれてる教員なんだよ。いつも授業が終わると公園に向かっていくんだ。公園の子供たちは教員だってことを知らずに公園おっちゃんって遊んでるんだよ。そのおっちゃんも遊ぶのが好きで遊んでるんだよ。俺、父子家庭なんだよね。俺が10歳の時に親が離婚したんだよ。それで俺、太陽っていう名前でいじめられてて、馬鹿にされたからきれて、そいつにけがさせたんだけど、親が呼ばれて怒られてたんだけど、親は先生にこういったんだよ。太陽はたしかにけがをさせましたけど理由があってこうなったんじゃないかって言ってくれてさ。一緒に帰ろうとしたんだけど、仕事場から電話があって急に帰ってしまったんだよ。俺は公園にいったわけ。何をするのでもなくね。そしたら俺に声をかけてくれたんだよ。そしてこういわれた。私が先生と呼ばれるのがいやで公園おっちゃんになってる。公園おっちゃんやったら子供たちと遊べるし、子供たちの目線で話せる。太陽君、君もこう考えてみてはどうじゃ。君がみんなの太陽で、太陽がいないと暗いと。って言われたから、俺はその言葉がなかったら今こんなふうに考えてない。という。いつか教師になって子供たちと一緒に学べるようになりたいという太陽はどこか誇らしかった。

俺たちもう友達だよなという洋。俺と太陽は頷いた。

この日の空には虹が出ていた。

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