第4話
ある日、学校から帰ってくると、親父にこう言われた。
渚に話があると言われた。
お茶を飲みながら、ごめんなお前の出生を話さなきゃいけない。渚、お前は俺たちから生まれた子供じゃないんだ。お前の生みの親はお前を赤ちゃんポストに預けたんだ。赤ちゃんポストってのは簡単に言うと経済的な理由とか環境の理由で育てられない子供たちを預けて里親や施設に預けるんだ。そこにお前は預けられたんだよ。俺たちの場合は子供を授かることができないからな。母さんは子宮の病気になってな。あかちゃんが産めないんだよ。俺と結婚するときに医師から宣告された。でもな俺は母さんの笑顔が好きだった。子供なんてできなくても母さんの笑ってる姿がみたくて結婚したんだ。でも子供が欲しいと母さんが思ってたんだよ。それでお前を養子としてもらい受けたんだよ。お前は小さいころから手がかからないやつだった。親は生まれてくる親を選べないというんだよ。お前にいつか話さなければと思ったというと、そっか。うすうす気が付いてたよ。僕、親に似てないと思ってたけど、どうしてだろうと思ったんだよ。一週間前に参観日に来れなかったのをいいことにクラスのやつらに両親に捨てられたとか言われてたんだよ。でもお父さんもお母さんも仕事とかで忙しそうだから言えなかったんだよ。俺、生んでくれた親を恨んでなんかないよ。もちろんお母さんとお父さんも恨んでないよ。子供は親を選べないというけど、俺は赤ちゃんポストに入れてくれたことで実は選んでるんだよというと、そっかというお父さん。お前は優しい子に育ったなって言われた。実は今日はお前をこの家に迎え入れた育て始めた日なんだよ。といい、お前に誕生日プレゼントを買ったよといい、俺にプレゼントを渡してくれた。お父さんとお母さん。なんだろうと開けてみた。
それは俺の運命を変えた漫画を描くための本格的なペンだった。
これでいっぱい絵を書いてくれよと言われた。父も空を眺めてお前が来た日も空の色は青かったなというと、梅雨の時期ではめずらしいよな。と言われた。
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